論作文対策を始めたものの、きちんと書けたはずなのに評価がまったく上がらない・・・なんで?と思っている人は多いのではないでしょうか。
それもそのはず!
論作文には書き始めるまでの事前準備や評価を上げるための工夫が必要で、ただ必死になって文字を書いただけでは合格点をもらえる答案は作れないのです。
そこで本記事では、大きく以下の3点について解説します。
- 論作文を書く前に必要な「基礎知識」
- 過去の出題テーマ
- 評価を上げる「論作文の書き方」の手順
この記事を参考にして、論作文で落ちないように準備をはじめましょう!
【傾向】福岡市役所の論作文とは?
論作文試験とは、課題に対して文章を書かせることで、受験者の考え方や熱意といった人間性を総合的に判断しようとする記述式の試験です。
ただ単に文章を書くのではなく、 課題を正しく読み取り、自分の経験や体験を盛り込みつつ説明できるかなど、知識の総合的な応用力が問われます。
論作文の試験時間
上級(大卒者試験)は75分、初級(高卒者試験)は60分です。
一般的な試験時間は50分〜60分なので、福岡市役所の試験時間は普通ですね。
時間配分には注意しよう
論作文が苦手な人ほど「時間が全然足りない・・・」と悩んでいます。なので、時間配分に注意しながら書きましょう。
オススメの時間配分は以下のとおり。
- 課題の把握、文章構成:10(5)分
- 執筆:55(50)分
- 推敲(見直し):10(5)分
※( )は初級の場合
このくらいの配分で書けるといいですね。何度か書いてみて自分なりの感覚を身につけてください。
論作文の文字数
上級(大卒者試験)は1,000字、初級(高卒者試験)は800字です。
何文字書けばいいのか
論作文のルールとして、最大字数の8割が基準となるので、上級は800~900字、初級は600~700字前後を目安に書けるといいでしょう。
なお、8割書けなくても即不合格になることはありませんが、文字数が少ないと減点されるので注意してください。文字数を埋めるには、語彙量を増やしたり、表現力を鍛えたりすることが必要です。
日頃からニュースなどを見て、使えるキーワードを探しておきましょう。
論作文の配点比率
論作文の配点は40点です(240点満点)。
最終合格者の決定方法は二次試験(論作文と面接)の結果で判定されます。そのため、筆記試験で高得点を取っても意味がないので、論作文対策を後回しにするのはNGです。
以上が、福岡市役所の論作文の傾向です。
【過去問】福岡市役所 論作文のテーマ一覧
ここでは、福岡市役所で過去に出題された論作文の課題を紹介します。内容の確認をしたり、傾向をつかんだりしてみましょう!
- 2022年(令和4年度)
- 2021年(令和3年度)
- 2020年(令和2年度)
- 2019年(令和元年度)
2022年(令和4年度)
政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルを目指すと宣言しました。福岡市も令和2年2月にゼロカーボンシティを表明し、温室効果ガス排出量実質ゼロを目指して、脱炭素社会の実現に向けてチャレンジしています。脱炭素社会への取組みが求められている背景・課題を述べるとともに、行政としてどのように取り組めばよいか、あなたの考えを述べなさい。
2021年(令和3年度)
環境省は、2019年度から2020年度にわたり16の実証事業(※)を実施し、その優れた取り組み事例を紹介した「熱中症予防ガイダンス」を策定しました。また、これを活用し、地方自治体、施設管理者、企業などが連携して地域の熱中症予防対策を推進することを呼びかけています。地域の熱中症予防対策の推進について、今後、福岡市はどのように取り組んでいけばよいか、あなたの考えを述べなさい。
(※)実証事業の一例
自治体と通信系民間企業が連携し、IoTを活用して学校環境における暑さ指数データをリアルタイムに取得・蓄積し、学校現場における熱中症対策に活用した
2020年(令和2年度)
福岡市では、令和2年度から宿泊税※が新たな市の財源となります。これを活用し、福岡市地下鉄空港線全駅において、公衆無線LANサービスの通信環境の充実を図るなど、観光振興事業を実施していきます。あなたの考える福岡市の観光振興事業等における課題を挙げ、宿泊税などの財源をどのように活用すればよいか、あなたの考えを述べなさい。
※宿泊税・・・市内のホテルや旅館、民泊などに宿泊する場合に、宿泊者に対して課税される税で、条例に基づき使途や税率が定められる法定外目的税。
2019年(令和元年度)
福岡市では、「人生100年時代」の到来を見据えて、保健医療という分野から、誰もが健康で自分らしく生き続けられる持続可能な社会システムをつくる100のアクション「福岡100」に取り組んでいます。そこで、あなたの考える「福岡100」のアイデアを一つ挙げ、それを実現するための具体的な取り組みとその効果について述べなさい。
【対策】福岡市役所 論作文の書き方5ステップ
福岡市役所の論作文をきちんと書きたいなら、次のステップで対策しましょう。
①テーマをしっかり把握する
まず、課題を正確に把握することが重要です。
なぜなら、課題からズレた内容を書いてしまえば、どれだけ文章力があっても評価されないからです。
たとえば、「挫折した経験とそこから得たこと」という課題の場合、『挫折した経験から何を得たか』がメインテーマなので、挫折経験だけで終わっている作文では課題を正確に把握しているとはいえません。
論作文を書くときは何を書かせたいのか(求めているのか)を把握したうえで書き始めましょう。
課題のとらえかたを間違えてしまうと内容そのものが変わってしまうので注意が必要です!
②文章構成を知る
次に、どんな順番で書けばいいのか「文章構成」を考えましょう。
なぜなら、どのような順番で書いていくのかを検討しないと、テーマに矛盾があったり、話がとびとびになったりして、評価をもらえる合格答案を書くことができないからです。
たとえるなら家の設計図。お家を建てるときは、最初に設計図を組み、その通りに家を建てないと欠陥住宅になりかねませんよね。
オススメの文章構成は「三段型」
最初に自分の考え(結論)を書きます。
結論に至るまでの社会背景や問題を引きだす。
問題提起についてのより詳しい説明や自分の体験を盛り込んで肉付けしていく。
これはあくまでも一例なので、馴染みのある起承転結で書いても大丈夫です。
重要なことは、自分の考えがきちんと伝わるように書くこと。
文章構成をあらかじめ決めておけば、スムーズに書き始めることができる点にくわえ、論理的な文章になるため採点者も読みやすい=評価は上がるという算段です。
評価の悪い論作文は、始まりから終わりまで一貫性のない文章が多いです。家と同じで骨組みがきちんとしておく必要がありますよ。
③実際に書いてみる
文章構成が決まったら、その型どおりに書いていきましょう。知識があっても、それを文章にすることは難しいからです。
なお、実際に書くときは時間を計りながら、時間配分を意識することがポイントです。
ホームランの打ち方が分かっても、実際に練習しないことには打てませんよね。それと同じ!
④推敲(見直す)
最後に文章を書き終えたら、必ずもう一度読み直してください。
その際、見るべき部分は以下のとおり。
- 誤字・脱字
- 送り仮名の誤り
- 文字数は8割以上書けているか
- 段落はしっかり分けられているか
- 結論(言いたいこと)と根拠、まとめは書かれているか
試験時間は75(60)分しかないので、すべてを見直すことは難しいかもしれませんが、少なくとも誤字脱字や文字数だけでもチェックするようにしたいです。
⑤添削を受ける
ここまで解説したとおり、論作文では課題の把握や文章構成が評価を上げるために必要です。
しかし、これらの観点は素人がどれだけ頑張っても理解することはできません。
そこで重要になるのが、第三者に見てもらい客観的な評価を受けること。
しっかりした人に添削をしてもらえば自分の弱点や伸ばすべきポイントも簡単に把握できるため効率よく論作文対策を進めていくことができます。
なので、必ず書いた答案は評価をもらえるように準備していってくださいね。
オススメの添削サービス
添削が重要なのはわかるけど、だれも見てくれる人がいない…。予備校は高いし…。何か方法はない?
僕自身、周りに頼れる人がいなかったので添削者を探すのに苦労した経験があります。そこで頼ったのが「ココナラ」というサービス。最近はTVCMもたくさん流れているので知っている人もいるのでは?
実際に「ココナラ」で検索すると、元人事や予備校講師が普通に添削指導をリーズナブルな価格で対応してくれるのでオススメです。
論作文の添削サービスを探している方はこちらの記事で解説しているので確認してみてください。
以上が、福岡市役所の論作文試験の対策方法です。
【まとめ】福岡市役所の論作文で落ちないために必要なこと
本記事では、福岡市役所の採用試験で行われる論文と作文に関する情報をまとめていました。
論作文で落ちる人は、書いたら書きっぱなしってことが多いです。
論作文を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じこと。正解不正解がわからないまま対策を続けても成績は伸びないので、書いた答案は必ず添削してもらいましょう。
学生なら学校の先生や就職課、社会人なら予備校やオンライン添削サービスなど、方法はたくさんありますよ。なお、オススメの添削サービスはこちらで説明しています。周りに頼れる人がない方は参考にしてみてください。
今回は以上です。