一口に公務員試験といっても、内容は選考によって異なります。
そのため、「どうやって対策すればいいかわからない」という人は多いです。
日々の学校や仕事で忙しい中、効率よく試験対策できるかどうかは、選考内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。
本記事は、名古屋市消防採用試験(大卒)の内容をまとめています。傾向や対策方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
*合格に向けて準備を始めたい方は『名古屋市の消防官になるのは難しい?採用試験対策ロードマップ』をご覧ください。試験の全体像を網羅したガイドブックです。
【大卒】名古屋市消防の試験内容は?
名古屋市消防の試験内容は、一次試験(筆記)と二次試験(人物)の2段階で行われています。
具体的な試験内容は次のとおり。
試験科目 | 試験内容 | 配点 | |
---|---|---|---|
一次試験 | 教養試験 | 公務員として必要な一般的な知識及び知能をみる筆記試験 | 600 |
論文試験 | 60分間で課題文に対する記述式の筆記試験(*) | 300 | |
二次試験 | 個人面接① | コミュニケーション能力や人柄を評価する人物試験 | 600 |
個人面接② | 900 | ||
体力検査 | 消火や人命救助に必要な体力を評価する人物試験 | 600 | |
身体検査 | 職務遂行上必要な身体的条件及び健康度をみる検査(尿検査、胸部エックス線検査、心電図等) | – |
*論文試験は一次試験で行われますが、採点は二次試験です。
次の章では、試験ごとの傾向を解説していきます!
【大卒】名古屋市消防の一次試験内容
名古屋市消防の一次試験では、次の2種目が課されます。
それぞれの傾向を解説しますね。
教養試験
「一般知能(計算力や読解力)」と「一般知識(社会人として必要な基礎学力)」がどのくらい備わっているかを測る筆記試験です。
試験概要
試験時間 | 2時間30分 |
---|---|
問題数 | 50問(全問必答) |
出題形式 | 択一式(マークシート) |
レベル | 大学卒業程度 |
配点 | 600点 |
出題科目
一般知能 | 数的処理 | 数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈 |
---|---|---|
文章理解 | 現代文、英文 | |
一般知識 | 社会科学 | 政治、経済、社会・時事 |
人文科学 | 世界位、日本史、地理 | |
自然科学 | 数学、物理、化学、生物、地学 |
このように教養試験では、幅広い科目知識を求められるので勉強する範囲がとても膨大です。
そのため、すべてを同時に勉強するのではなく取捨選択をして進めていく必要があります。具体的に言うなら、出題数の多い科目から勉強すること。
たとえば、経済は4問出題されます。一方、地理は1問しか出ないので、どちらの科目に多く時間を使うかは明確ですよね。もっと言うと、政治は6問出るので、経済よりも優先して勉強する必要があるということです。
政治(6問)>経済(4問)>地理(1問)
勉強を進める前に「どの科目で点を取るのか」、「よく出る(まったく出ない)分野はどこか」といった出題傾向を理解してからスタートしましょう。
名古屋市消防の教養試験について、詳しくは次の記事で解説しています。
論文試験
論文試験は、受験者の思考力や問題解決能力、表現力および専門知識を評価する試験です。
与えられたテーマに対して、自分の意見や考えを論理的に展開し、文章で表現する必要があります。
試験概要
試験時間 | 1時間(60分) |
---|---|
文字数 | 制限なし |
課題数 | 1問 |
出題傾向 | 時事問題、名古屋市の施策関連 |
配点 | 300点 *採点は二次試験(一次合格者のみ)で行われます。 |
論文試験は、受験者間で差がつきやすく最終合否に大きく影響しやすいです。
評価を上げるには時事問題の理解や名古屋市の施策についての深い洞察が必要といえるでしょう。また、実際に論文を書き、添削を受けて改善点を把握していくことも忘れずにやってください。
名古屋市消防の論文について、詳しくは次の記事で解説しています。
【大卒】名古屋市消防の二次試験内容
名古屋市消防の一次試験では、次の3種目が課されます。
それぞれの傾向を解説しますね。
個人面接
面接試験は、受験者の人物像、コミュニケーション能力、職務に対する適性やモチベーションを評価する試験です。
名古屋市消防では一人2回の面接が行われます。
試験概要
1回目の個人面接は、一次合格者を対象に行われます。
1回目の試験概要は次のとおり。
実施日 | 令和5年7月7日(金)〜11日(火) *通過者の発表は令和5年7月19日(水) |
---|---|
試験時間 | 15分〜20分 |
面接官 | 3人 |
配点 | 600点 |
1回目の個人面接をクリアすれば、2回目の面接を受けることができます。しかし、ここで評価が悪いと足切り(不合格)です。
2回目の試験概要は次のとおり。
実施日 | 令和5年7月29日(土)〜8月3日(木) |
---|---|
試験時間 | 25分〜30分 |
面接官 | 3人 |
配点 | 900点 |
最終的に1回目と2回目の結果(点数)が持ち点となります。
個人面接は、あなた1人に集中して様々な観点から話を聞けるため、あなたの特性を正確に評価できます。
たとえば、「どんな消防官になりたいですか」という質問に「市民から信頼される消防官」と回答しただけでは、まだあなたに責任感やリーダーシップがあるかは判断できません。
そこで、「なぜ、市民から信頼されないといけないのですか」とか「消防業務だけやっていてはダメなのですか」など、より理解を深めるために掘り下げた質問をして、正確に評価を行えるような情報を聞き出し、評価するのです。
より具体的な情報を面接官に伝えることができるかどうかが合否を分けるポイントなので、自己分析に時間をかけて語れるように準備しましょう。
体力検査
消防官として、最低限の体力が備わっているかどうかを判断・評価する試験です。
検査は次の6項目(配点は600点満点)。
- 上体起こし
- 握力
- 長座体前屈
- 反復横とび
- 立ち幅とび
- 20mシャトルラン(往復持久走)
「体力検査は出来て当たり前」の部分が強いので、日頃からトレーニングをしておきましょう。
なお、成績が著しく低い項目が一つでもある場合は、不合格となります。得意種目を伸ばすだけでなく、苦手種目を減らせるように頑張ってみてください。
身体検査
職務遂行上必要な身体的条件及び健康度をみる検査です。
試験ではありませんが、提出書類があったり、期限があったりするので、しっかり説明を聞くようにしてください。
- 尿検査、胸部エックス線検査、心電図等を各自医療機関等で受検し、人事委員会事務局が指定する様式で提出。
- 受検に必要な費用は受験者の負担。
- 詳細は、個別面接①の際にお知らせします。
- 基本色の識別能力検査は体力検査時に実施します。
まとめ:試験内容を正しく理解し楽に対策しよう
今回は、名古屋市消防局採用(大卒)の試験内容を解説しました。
名古屋市消防の具体的な試験内容は次のとおり。
試験科目 | 試験内容 | 配点 | |
---|---|---|---|
一次試験 | 教養試験 | 公務員として必要な一般的な知識及び知能をみる筆記試験 | 600 |
論文試験 | 60分間で課題文に対する記述式の筆記試験(*) | 300 | |
二次試験 | 個人面接① | コミュニケーション能力や人柄を評価する人物試験 | 600 |
個人面接② | 900 | ||
体力検査 | 消火や人命救助に必要な体力を評価する人物試験 | 600 | |
身体検査 | 職務遂行上必要な身体的条件及び健康度をみる検査(尿検査、胸部エックス線検査、心電図等) | – |
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やることが多くて大変な試験です。そのためスキマ時間を使ったり、傾向を把握したりして効率よく対策するのがポイント。
まずは、どうしても時間が取られてしまう教養試験の攻略から着手してみましょう。過去の出題傾向などを下記記事で解説しているので、あわせて読んでみてください。
今回は以上です。