本記事では、これから名古屋市の消防官になりたいと考えている初心者向けに「採用試験の概要と合格へのロードマップ」を徹底解説します。
最近は、名古屋市の消防官を志望する人の相談がとても多くなっています。
大学を卒業したら名古屋市消防局で働きたい人、民間企業に就職したけど名古屋市消防局に転職したい人から、とりあえず名古屋市消防の試験を知りたい人までさまざまです。
なかでも、下記のような採用試験に関する悩みはどの人でも抱えています。
- 名古屋市消防の採用試験は難しいの?
- 名古屋市消防の倍率はどれぐらい?
- 名古屋市消防の試験内容や対策方法は?
そこで今回は、大きく以下の5つについて詳しく解説していきます。
- 名古屋市の消防官になる方法
- 名古屋市消防官採用試験の受験資格
- 名古屋市消防官採用試験に合格するまでの流れ
- 名古屋市消防官採用試験の内容
- 名古屋市消防官採用試験の実施状況
このほか、歴代の名古屋市消防官志望者が気になっていた質問(難易度、合格する方法、過去問の入手方法など)も徹底解説しているので参考にしてください。
この記事を読めば、名古屋市の消防官になる方法から採用試験合格までに必要な情報をまとめて押さえることができます。
*対象は一類(大卒程度)向けとなっています。
名古屋市の消防官になるのは難しい?
名古屋市の消防官になるには、名古屋市消防官採用試験に合格することが必要です(*)。
*正式名称は「名古屋市職員採用試験第1類(大学卒業程度・22から30歳)」
採用試験は、大学入試や資格試験とは違い”就職試験”です。そのため、筆記試験だけでなく、面接や体力検査など、幅広い試験科目にクリアしないと合格できません。
数年前に比べると難易度はさがっているものの、まだまだ人気のある職種です。何の準備もなしに合格は勝ち取れません。
試験内容や傾向を把握し対策を始めましょう。
*名古屋市消防官採用試験の難易度はこちら。
名古屋市消防官採用試験の受験資格は?
名古屋市消防の受験資格は、次の1~3の要件を満たすことが必要です。
- 年齢要件
- 身体要件
- 欠格事由
年齢要件
次のどちらかに該当すれば受験できます。
- 平成5年(1993年)4月2日から平成14年(2002年)4月1日までに生まれた方
- 平成14年(2002年)4月2日以降に生まれた方で、学校教育法による大学(短期大学を除く。)を卒業した方(令和6年(2024年)3月31日までに卒業見込の方を含む。)又はこれと同等の資格があると名古屋市人事委員会が認める方
*年齢要件を満たしていれば学歴は関係ないので、高卒者でも一類を受験できます(試験内容は同じ)。
身体要件
日本国籍を有し、下記の条件4つすべてに該当する方
- 矯正視力 :両眼0.7以上かつ一眼それぞれ0.3以上
- 基本色の識別:赤色、青色及び黄色の色彩の識別ができること
- 聴力 :左右とも正常であること
- その他 :消防官としての職務遂行に支障のないこと
欠格事由
次のいずれにも該当しない方
- 地方公務員法第16条の規定により、地方公務員となることができない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
- 名古屋市職員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者
- 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
- 平成11年改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている者(心神耗弱を原因とするもの以外)
名古屋市消防官採用試験の日程は?
名古屋市消防の採用試験は、6月から8月にかけて行われます。
具体的な日程(流れ)は次のとおり。
受験申込
令和6年4月18日(木)〜5月7日(火)
一次試験日
令和6年6月16日(日)
一次試験合格者発表
令和6年6月下旬
*令和5年度は6月28日(水)
二次試験日
令和6年7月上旬〜8月上旬
*令和5年度
個人面接① | 令和5年7月7日(金)~7月11日(火) |
---|---|
個人面接② | 令和5年7月29日(土)~8月3日(木) |
体力検査 | 令和5年7月26日(水)、7月27日(木)のうち1日 |
最終合格者発表
令和6年8月下旬
*令和5年度は8月15日(火)
- 個別面接①の日程は第1次試験合格者通知でお知らせします。
- 個別面接②の日程は個別面接①の結果通知でお知らせします。
- 試験日程を受験者の希望により変更することはできません。
試験日から逆算して勉強計画を立てましょう!
とくに、合格発表があってから面接まで期間が短いので、早めに自己分析をして面接練習をしておくことが重要です。
名古屋市消防官採用試験の内容は?
名古屋市消防の試験内容は、一次試験(筆記)と二次試験(人物)の2段階で行われています。
具体的な試験内容は次のとおり。
一次試験
- 青文字をタップすると詳細記事にジャンプできます。
- 論文試験は一次試験で実施しますが、採点は二次試験で行われます。
二次試験
試験科目 | 試験内容 | 配点 | |
---|---|---|---|
二次試験 | 個人面接① | コミュニケーション能力や人柄を評価する人物試験 | 600 |
個人面接② | 900 | ||
体力検査 | 消火や人命救助に必要な体力を評価する人物試験 | 600 | |
身体検査 | 職務遂行上必要な身体的条件及び健康度をみる検査(尿検査、胸部エックス線検査、心電図等) | – |
このように最終合格するには筆記と面接の両方で点数を取ることが重要なので、いずれかの試験に偏った対策をするのではなく、計画を立ててバランスよく対策しましょう。
名古屋市消防の試験内容について、詳しくは次の記事で解説しています。
名古屋市消防官採用試験の倍率(実施状況)は?
ここ5年間の名古屋市消防倍率は3.5倍〜8.1倍で推移しています。
- 令和5年度:3.5倍
- 令和4年度:5.2倍
- 令和3年度:4.2倍
- 令和2年度:4.0倍
- 令和元年度:8.1倍
倍率をみて、高い(低い)など感想をもったと思いますが、あまり気にする必要はありません。
結局のところ、2倍でも落ちる人は落ちるし、逆に10倍でも受かる人は合格するからです。
倍率が2倍でも10倍でも対策することは同じですよね。なので、倍率を気にしても時間の無駄なんですね。合格に向けてやるべきことをやっていきましょう!
名古屋市消防の倍率について、詳しくは次の記事でまとめています。
名古屋市消防官採用試験に関する質問FAQ
名古屋市消防官採用試験に関する質問に回答します。
名古屋市消防官採用試験は難しい?
結論、名古屋市消防官採用試験は難しいです。
主な理由は次の3つ。
- 競争試験のため
- 試験科目が多い
- 人物重視の選考
競争試験のため
競争試験というのは、採用人数が決まっていて、その人数に達するまで成績上位者から順に合格させる試験のことを指します。
これに対して、簿記や英検のような資格試験の場合は、70点以上といった合格基準が設定されていて、基本的には基準点を超えた人は全員合格することができます。
名古屋市役所職員採用試験は競争試験であるため、実力的には合格できるような人でも、ライバルたちが自分よりも成績が良ければ合格できないのです。また、資格試験の中には年に数回実施されるものもありますが、名古屋市役所は年に1回しかチャンスがありません。
合格できる人数が決まっていて受験チャンスも少ないため、難度は高いと言えるでしょう。
試験科目が多い
教養試験の問題は高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。
それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、科目数・範囲が膨大すぎるからです。
- 数的処理(数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈)
- 文章理解(現代文、英文)
- 社会科学(政治、経済、社会時事)
- 人文科学(日本史、世界史、地理)
- 自然科学(数学、物理、化学、生物、地学)
*令和5年度問題より
これだけの科目を勉強しなくてはいけないので、対策は簡単ではありません。実際、科目の多さにやる気を失い、受験を諦める人もけっこういます。
あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないように、出題傾向をきちんと理解して対策することが大事です。
名古屋市消防の教養試験について、詳しくは次の記事で解説しています。
人物重視の選考
名古屋市消防官採用試験では、一人2回の個人面接があります。配点は1500点満点で、全体の50%を占めています。
- 教養試験:600点
- 論文試験:300点
- 体力試験:600点
- 個人面接:1500点
どんなに教養試験で高得点を取っても、個人面接の結果で大逆転が起こります。
面接は教養試験のように正解がないので、対策方法に悩む人は多いです。後回しにせず早めに準備を始めましょう!
このように、単純に筆記試験の点数を取れば合格できるものではなく、面接・作文などによる人間性が最重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあるといえるでしょう。
名古屋市消防官採用試験に合格するには?
結論、スキマ時間を有効活用することです。
確実に合格する方法はありませんが、少しでも合格率を上げたいなら使える時間を捻出する方法を考えなければいけません。
公務員試験でとにかく大切なことは、時間は無限ではないということです。
じゃあ具体的にどうやって時間を捻出するの?というと、『スキマ時間を有効活用する』という結論に達します。
- 通学時間
- 学校での休み時間
- 食事の前後
- 入浴時間
- 寝る前の10分間 など
全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できますよ。
たとえば1回20分のスキマ時間でも、1年で7,300分(約120時間)になります。これが1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返されるだけで、年間365時間も勉強できることになりますよね。
最終合格までに必要な勉強時間は600~700時間なので、スキマ時間だけでも6~7割ぐらいの勉強ができてしまうのです。
名古屋市消防官採用試験の過去問はどこで入手できますか?
結論、過去問は入手不可です。
なぜなら、試験日に問題が回収されてしまうから。
とはいえ、公務員試験の問題はどの試験でも内容は同じなので、大卒程度の過去問(国家公務員や特別区など)を活用して勉強してください。
名古屋市消防の出題傾向については、次の記事で詳しく解説しています。
まとめ:名古屋市消防官合格に向けて準備を
今回は、名古屋市の消防官になる方法と名古屋市消防官採用試験の概要を解説しました。
名古屋市の消防官になるには、公務員試験(名古屋市消防官採用試験)の勉強をし、合格を勝ち取る必要があります。
名古屋市消防官採用試験の概要は次のとおり。
受験資格 | 平成5年(1993年)4月2日から平成14年(2002年)4月1日までに生まれた方 |
---|---|
試験日程 | 6月〜8月にかけて実施 |
試験内容 | 一次試験:教養試験、論文試験 二次試験:個人面接、体力検査、身体検査 |
合格者の 決定方法 | 全試験の合計点順に決定する(3000点満点) |
競争倍率 | 3.5倍〜8.1倍(直近5年間) |
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「これをやれば確実に合格できる」という方法はありませんが、合格するために意識するポイントはスキマ時間の有効活用にあります。
最終合格までに必要な勉強時間は600~700時間なので、スキマ時間だけでも6~7割ぐらいの勉強ができてしまうのです。適当に勉強を進めるのではなく、計画性をもって効率よく行いましょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!